PROLOGO.

午前0時24分。
赤羽駅、京浜東北線のプラットホーム。
静寂の中、無機質な霧雨が屋根に当たる微かな音は
周りの空気をよりいっそう冷たくした。

「ふぅ」
吐き出した息が白い。
気が付けば両手をGパンのポケットにしまいこんでいた。

左手に酎ハイ持ちながら、右手のソーセージを食べるサラリーマン。
タバコを吸いながら、空いている手で忙しく携帯を叩いている若い女。
バッグを枕にしてベンチで寝ている中年の男。
黙ったまま抱き合ったままのカップル。

俺はリュックを背負って0時25分発大宮行きの電車を待っていた。

午後8時53分。
空はどんよりとし、空気は湿っていた。
俺は恵比寿にいた。

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