CABEZA.

何をするでもない。
この平穏な日々から抜け出すために
僕は一つの勇気を買った。

そのお店は通勤途中にあった。
いつもだったら、当たり前のように通り過ぎるはずの景色。
当たり前の信号。
当たり前の坂道。
当たり前のトンネル。
そのお店は当たり前の交差点の手前にあった。
その当たり前じゃなくなった交差点を僕の目はすぐに見つけた。
小さな小さな平屋の家だった。
気が付くと、バイクを止めて僕は家の扉を開いた。
家と同じように小さな部屋だった。
部屋の真ん中には暖炉があり、その煙突が天井まで伸びていた。
猫が2匹。
警戒するように丸い目を大きく開けて僕を見る。
壁に沿って棚が置かれている。
その棚の中身を見ようと僕は暖炉を中心に部屋をぐるっと回った。
どの棚にも何も入っていなかった。

と、そこへ奥のドアが開いて、一人の老婆が現れた。
奥にドアがあったことに初めて気が付いた。
その老婆は何も言わず、近くの椅子に腰を下ろした。
暖かみのある木でできた、ロッキングチェアーだ。
その老婆は座ったまま慣れた手つきで
一番近くの棚の引き出しに手を伸ばし、
そこから一冊の本を取り出した。
本と一緒に取り出した眼鏡をかけると
いつの間にか老婆の膝の上に乗り、眠たそうにしている猫を一瞥し、
本に目を落とした。
その本には題名が無かった。
僕はその老婆に尋ねた。
『その本はなんていうんです?』
老婆は身動きもせず、表情さえ変えずに言った。
『あなたは何が欲しいのですか?』
僕は答えた。
『勇気が欲しいです。』 続く….

って何をいきなり書いてるのか。
急に妄想でもしてみました。
妄想は無限だと思っていたが、そうでもないらしい。
自分の経験や体験から生まれるようだ。
その経験、体験には無意識なモノある。
また、自覚症状が無いモノもある。
ただ、この脳みそってやつはお利口さんなようで
あらゆる俺の経験、体験の記憶を
細かく分類して、キチンと整理して引き出しにしまっておいてくれる。
俺はどこに何をしまったのかわからなくなる時があるが、
俺の脳みそにそんな事はまずありえない。
妄想とは様々な記憶を分解して、引き出しにしまい、
それらの引き出しからランダムに記憶を取り出し、
これまたランダムに組み合わせたパズルである。
だから、俺の脳みその中では何通りもの妄想がある。
いや、違った。
俺の脳みそにはそれはパズルなのであって、
俺には妄想であると思わせるわけである。
何ともお利口なやつである。

今日はこんな話をしようと思っていなかったのに。
これも脳みそのせいってことで、また明日。
バイ。

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